校長ブログ
自分たちで稼ぐ!
クラウドファンディングの歴史はとても古いようだ。鎌倉時代の僧、重源が東大寺の再建のために日本全国から資金を募ったという話もあるぐらいだ。現在では、日本の市場規模は約1,900億円(2022年)に達しているとのことで、学校においても部活動の資金集めに利用している例が増えてきているようだ。
この度、わが横浜隼人高校の女子硬式野球部もクラウドファンディングで活動資金を募るということを、遅ればせながら始めた。プラットフォームを提供している業者との打ち合わせを繰り返し、先日、なかなか立派なサイトが立ち上がった(このホームページにそのリンクが貼ってあるので、是非覗いてみてください)。
高校女子硬式野球は、ここ数年はイチローさんのチームとの試合を行うなどして少しずつ認知されつつあるが、男子の野球に比べればまだまだの感は否めない。横浜隼人女子硬式野球部は3年前の全国高等学校女子硬式野球選手権大会で全国制覇したこともある強豪の一角だ。しかも、神奈川県下で唯一の女子硬式野球部なので、その普及に向けてのアピールなど部員全員が意識高く活動している。選手たちは、決して恵まれているとは言えない練習環境の中で、朝も夕も大きな声を張り上げて元気に練習しているのが職員室からよく見える。その彼女たちは、野球だけではなくて勉強も頑張っているというので感心してしまう。たまに授業を覗くと爆睡している部員を目にすることもあるのだが(笑)、そのままゆっくり寝させてあげてほしいと願っている。
さて、立ち上がったクラウドファンディングのサイトであるが、ご協力いただいたプラットフォーム業者は他でも学校の案件を手掛けているというので、横浜隼人の生徒が他と比べてどんな印象か聞いてみた。すると、その担当者は少し考えた後「そう言えば、他の学校ではこんなに生徒さんと関わらなかったですね…」との返答。それを聞いてとても嬉しくなった。わが女子硬式野球部の選手たちは、入り口こそ顧問の教員の手を借りたものの、サイトの構成やデザイン、紹介の文章など、全部自分たちで主体的に動いたとのことだ。そう言えば、校長室に「校長先生も文章を書いてください。締め切りは…」ってな感じでやって来たのだった。
誤解を恐れずに言うと、教育業界、特に学校の教員たちは商業主義みたいなものを忌み嫌う傾向にあるが(これについての僕の考えは、別の機会に詳しく述べたいと思います)、こうして自分たちの活動資金を自分たちで必死に集める、というのは“生きる力”を養うのにこの上ない良い勉強の機会なのではないか。先生任せにせずに、積極的に業者と交渉した女子硬式野球部の生徒には、心の底からエールを送りたい。
と言うわけで、僕も僅かばかりの資金を投じた。上述のように書いておきながら、金額が少な過ぎて申し訳ないが。ま、気は心、ということで!
皆さまも、ご協力のほどよろしくお願いいたします。