校長ブログ
校長室は生徒の部屋!?
横浜隼人の校長室は教員のみならず、生徒にも開かれている。校長が在室の時は、いつでも誰でも入ってくることができる。在室中の僕はデスクワークをしていることが多いが、誰かが訪ねてきたら余程のことがない限り話を聴くことにしている。
これまでの生徒の訪問は、100人は超えているのではないか。内容は様々。生徒会の活動に関する相談、校則に関する不満、部活の新設の相談、ただのおしゃべり(時に弁当持参で)等々。僕は授業で生徒に接する機会がないので、こうした時間が非常に貴重だし楽しい。
そんな中で、直近の事例を2つほど。
一つは、高校3年生の女子。自身の探究活動の成果を校長室でプレゼンしてくれたのだった。現代の日本の社会課題に鋭く切り込んだ内容で、資料もトークもなかなか見事なプレゼンだったのだが、それに関連してある国会議員に会いたいと言う。彼女が設定した社会課題について、その議員が最も精力的に取り組んでいるとのこと。たまたま僕の知り合いの地方議員と同じ政党だったので、その知り合いに相談したらすぐにセッティングしてくれた。そして、先日、その生徒を引率して永田町の議員会館まで行ってきた。国会が開会した直後で多忙だったと思うのだが、議員は快く応じてくれて、いろんな話をしてくれたし、高校生が来てくれたと喜んでくれた(リップサービスもあるだろうが(笑))。女子生徒は憧れの人(?)に会えて緊張していたようだが、とても熱心に聴いていて、有意義な時間になったのではないか。
もう一つは、高校2年生の男子生徒の話。将来メーカーでマーケティングや商品開発などの仕事をしたいのだが、具体的にどんな仕事なのか、ということを聞いてきた。正直、将来の職業をこんなに早く決めなくても良いのにと思いつつ、ちなみに目指している大学があるのか聞いてみた。すると彼はある大学の名前を挙げたのだが(A大学)、よくよく聞いてみると本命は難関と言われているB大学らしい。B大学の方が自分のやりたい勉強ができるし狙っているメーカーにも入りやすいのだが、現在の自分の学力からするとB大学は難しそうなので、B大学を意識しつつもA大学に受かれば良いと思っているとのこと。何だかこじんまりとまとまってしまっているのが残念で、「まだ2年生なんだろ!?B大学を目指して頑張ってみたらどうだ?何なら、さらに難関のC大学でも良いんじゃないか?まだ十分間に合うよ。別にA大学が悪いわけじゃないけど、Bの方が目標が叶いやすいんだったら、そっちを目指すべき。“行ける大学”じゃなくて“行きたい大学”を目指そう!」とアドバイス(と言えるか、分からないが)した。さらには、この4月から我が国を代表するトップレベルの専門家を横浜隼人に招いて、経済や経営、起業、プログラミング、データサイエンス等の特別授業を計画していると言ったら、かなりモチベーションが上がったようで、目を輝かせながら校長室を出ていった。
これは直近のほんの一例だが、まあ、こんな感じのやり取りをしながら生徒と接点を持っている。せっかく校長室まで来てくれるのだから、何かしらのメリットを感じて帰ってもらうように気を配ってはいるのだが、果たしてどうか。
それにしても、いつも感じるのは、若くて良いなぁ、ということ。彼ら彼女らは、正に無限の可能性を秘めている!教育機関の役割の重要さを再認識する瞬間でもある。