校長ブログ
「校長先生」というチャレンジ
僕の社会人人生は銀行員からスタートした。大学の先輩に強力に誘われて、いつの間にか銀行に入っていたという感じ。良い時代だった。入行後に2度の合併を経験しながら、都合30年務めた。年齢はすでに50代前半。銀行卒業後に学校の運営に少し携わったが、少なくともそこまでの人生で教師になろうと思ったことは一度もないし、向いていると思ったこともない。正確に言えば、40代後半ぐらいの時に少し「やってみてもいいかな」と思ったことはあるが、なろうと思って真剣にアクションは起こさなかった。
そんな僕が、今や生徒数2,000人を数える中高の校長先生になっているなんて、自分でも驚きでしかない。学校の教員と一般企業のサラリーマンとでは、思考パターンも行動パターンも大きく違っていて、それはそれは戸惑うことが多い(笑)。もう還暦を過ぎているのに(今61歳です)、何故わざわざ全く不慣れな道を選んだのか。よく聞かれる質問だ。
それに対する答えは、「チャレンジ」ということでしかない。
さすがに体力面の衰えは隠せないものの、僕の中にはまだまだ何かにチャレンジする気持ちは残っているようだ。いろいろな偶然もありこのご縁を頂いたわけだが、こんなに光栄なこともなく、それであれば残りの人生をこの国の若者のために捧げよう、とまあカッコよく理屈付けして、全く不慣れな世界に飛び込んだというわけである。
一方で、最近の若者はあまりにも現実的で、それこそチャレンジしなくなっているのでは、ということも感じている。もちろん“若者”という言葉で一括りにしてしまうのもどうかとは思うが、全体的な傾向としてチャレンジ精神が薄くなってきているということはないだろうか。つまり“失敗を極端に嫌がる”ということ。最たる例が「大学受験における現役志向」ではないだろうか(かと言って、浪人を奨励しているわけではありません!もちろん!)
若者にはどんどんチャレンジしてほしい。そして“取り返しのつく失敗”をたくさんして、その中から多くのことを学んでほしい、というのが僕の思いであり、それを伝えたくてこの道を選んだ、と言っても過言ではない。僕の生き方を見習え、などと言うつもりは毛頭ないが、先述の通り校長なんぞをやっていること自体が僕にとっては大きなチャレンジなので、一応、率先垂範で頑張っているつもりなのである…